メール開示・IP情報開示請求の流れと対策

1. 開示請求とは?

開示請求とは、SNSやブログなどの投稿主の身元情報(メールアドレス、IPアドレス、電話番号など)を、被害を受けた側が運営元に求める法的な手続きです。

名誉毀損や業務妨害、侮辱などに該当する投稿が対象になりやすく、弁護士を通じて行われることがほとんどです。


2. メールアドレスの開示請求の流れ

例:独自ドメインの問い合わせフォームなどから嫌がらせを受けた場合

  1. 被害者が証拠を収集(メール内容・スクリーンショットなど)
  2. 弁護士がメールサーバの運営元に対し「発信者情報開示請求」
  3. プロバイダが応じるかどうかを検討(対応は任意)
  4. 情報が開示された場合 → メール送信元のIPアドレスや送信アカウントが判明
  5. 必要に応じて次の開示請求(IP→プロバイダへ)へ移行

3. IPアドレスの開示請求の流れ

例:SNSや掲示板、ブログのコメント欄で中傷された場合

  1. 投稿が「違法性がある」と判断される証拠(スクショ・ログ等)を確保
  2. 弁護士が、該当サービス(Twitter、Instagram、WordPressなど)に対し開示請求
  3. プラットフォーム運営が応じれば、該当投稿に紐づくIPアドレスが開示される
  4. そのIPをもとに、使用していたプロバイダに対して再度開示請求(ログ保管期間内に限る)
  5. 成功すれば、契約者情報(氏名・住所)が特定される

通常、開示までには2〜6ヶ月かかります。プロバイダが「正当な理由なし」と判断すれば開示は拒否されます。


4. 加害者側がやりがちな“危険行動”

  • IPが残る問い合わせフォームやコメント欄で「匿名」と思って書き込む
  • VPNやフリーWi-Fiを使っても、アカウント紐付けや端末情報で特定されるケースも
  • 「バレるはずがない」と考えて、繰り返し攻撃 → 逆に特定の精度が高まる

5. 対策:SNSユーザーとして気をつけること(どちらの立場でも)

やるべきこと理由
投稿前に一呼吸おく感情的な書き込みはトラブルの元
批判する際は表現を工夫名指し・断定・嘲笑などは開示対象になりやすい
匿名性を過信しない通報・開示のハードルは年々下がっている
自分の投稿に責任を持つネットでも「証拠」は残る

まとめ

インフルエンサーやクリエイターにとって、開示請求は「遠い話」ではありません。

嫌がらせや中傷に悩まされる可能性は誰にでもあります。

知識を持っているだけで、いざというときの対処力は大きく変わります。

特に、インフルエンサーとして活動している場合、開示請求を**行う側(守る側)**にも、**される側(問われる側)**にもなる可能性があります。

自分の発言と向き合いながら、正当な主張や自己防衛の手段として“開示”を正しく理解しておくことが求められます。

逆に、自分が“加害者”と見なされないように、SNSの使い方にも気を配りましょう。

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