インスタやX(旧Twitter)で「裏アカがバレた」という話はあとを絶ちません。 今回は、SNS特定に詳しい匿名晒しアカウント管理者 “T氏” に、実際に使われている裏アカ特定の流れとその対策について話を聞きました。
✅ STEP1:裏アカ候補の洗い出し
筆者: まず、どこから調べ始めるんですか?
T氏: 最初は本垢から見ます。相互フォローしているアカウントのフォロワーをチェックしていくんです。特にリアルの友達っぽい人。
筆者: フォロワーを見るだけで分かるんですか?
T氏: で、友達同士のフォローをどんどん辿っていくと、クラスタができるんですよ
筆者: クラスタ?
T氏: SNSのフォローフォロワーって相互にネットワークを作るように広がっていく傾向にあるんですね。 現実で言えば「仲良しグループ」とか「同僚グループ」とか、もうちょっと広げると「同趣味グループ」とかですね。
筆者: なるほど、確かにそうですね。結構友達間でフォローし合ってること多いですよね。あとは、趣味が近い人だと同じアカウントフォローしてたりとか。
T氏: そうです。そんな感じ。そこから、同じ友達グループっぽいんだけど、本人(表アカウント)とフォロー・フォロワーが“繋がってない人”をリスト化するんですよ。
筆者: え、それって繋がってないほうが怪しいってことですか?
T氏: はい。単にグループ内で仲が悪いだけとか、実はそもそも違うグループだったとかってことも結構あるんですけど、”本人だけが”繋がりを避けてる。つまり、そのアカウントは“裏の姿”だから、表とは直接は繋がないようにしているアカウントの可能性があるんです。そういうアカウントをとにかく拾っていきます。
筆者: あー、確かに。でも、結構手間がかかりそうですね。相当な数そういうアカウントってありませんか?例えば同じ推しに相互フォローされてるだけみたいなこととか、あと、友達グループだけでも多い人だったら10個以上あったりもしますよね。
T氏: 実は、昔は結構手作業でやってたんですけど、ぶっちゃけ、裏垢さらしが結構マネタイズできる(収入になる)ので、ツールとかがあって、もうすぐにリストが作れちゃうんです(笑)
✅ STEP2:投稿から証拠を探して絞り込み
筆者: 候補が出てきたら、どうやって絞っていくんですか?
T氏: 投稿内容を見ていきます。同じ日に同じ場所について投稿してるアカウントがないか、とか。ストーリーでもいいです。あと、部屋の内装やペット、持ち物なんかもヒントになります。あとは、結構文体とかもヒントになったりとか。”マイブーム”っぽい擦ってる表現とか、語尾とかで探します。
筆者: ストーリーとかだと、時間がかぶってたら結構怪しいですよね。
T氏: そうそう。あと言い回しやスタンプのクセも結構出るんですよ。本垢と裏アカで使ってる語尾とか絵文字が同じだったりします。
筆者: 無意識に出ちゃってる感じですね。
T氏: そうです。そういう“無意識の癖”を複数見つけると、精度が上がってきます。
✅ STEP3:決定的な証拠をつかむ
筆者: 投稿の一致だけじゃまだ決め手にはならないですよね?
T氏: はい。最後の詰めは“直接的な証拠”です。たとえば、ログイン試行から得られる情報を使います。
筆者: えっ、ログインって不正アクセスにならないんですか?
T氏: あくまで“パスワードを忘れた”っていう手順を踏むだけなんです。すると、電話番号の下4桁とか、メールアドレスの一部が表示される。
筆者: それで、本人の情報と一致すれば……?
T氏: ほぼ確定ですね。他にも、プロフィール画像をGoogle画像検索にかけたり、別のSNSで使われてないかを調べます。同じ素材を使ってれば、なりすましとかじゃない限り、ほぼ本人なので。
筆者: アイコンが同じだったらかなり怪しいですね。
T氏: そうなんです。あとはリスクはあるんですけど、DMで“匂わせ”を送って反応をみたり、今主流なんで、あんまり詳細は言えないんですけど、DM返信があったりしたら、通報フォームを使って情報を引き出すこともあります。
筆者: なるほど、そこまでやられるんですね……。
T氏: 本人は隠してるつもりでも、情報って意外とどこかに漏れてるんですよ。
✅ 対策は?
筆者: なるほど……。でもこうやって聞いてると、どんなに気をつけててもバレそうな気がしてきますね。
T氏: まあ、正直“完璧な隠し方”は存在しないですね。ただ、僕らでは特定できないアカウントっていうのは、もともと存在しない可能性も十分あるとは思うんですけど、見つけられないものも結構あると思ってます。
筆者: 例えば、どんなアカウントが“バレにくい”んでしょうか?
T氏: まずは、裏垢と表垢で共通するフォローをしないことですかね。一方的なフォローのままであれば、ツールでは引っかからないんで、直接自分で探さなきゃいけないんですけど、さっきも言った通り、すごい手間なので。基本僕らは”金になる”から探すので、時間をあんまりかけたくない。ここで引っかからなかったら、さっさと諦めちゃう。そのアカウントのファンとかだったら時間かけてでも探すかもしれませんけど。
それから、裏垢の投稿時間をずらすとか、実際に同じ場所にいる時間を被らせないようにするのも有効です。そうすると、僕らから見たときに“同一人物”だとは思いにくくなるんですよ。
あと、一番効くのはやっぱり、電話番号とかメールアドレスを表垢とは完全に分けて使うこと。あと、同じ投稿素材、写真とか背景を使わない。そこが違えば、確証が持てないので「これが裏垢だ」とは断言しにくくなるんです。電話番号は一個しか持ってないことが多いので、ほぼ確定。メールだけの登録とかだとそもそも僕らは探そうとも思わないです。
筆者: 見た目も、つながりも、内容も全部ズラして、”証拠”を残さないってことですね。
T氏: そうですね。特に“自分っぽさ”が出る瞬間を極力なくすのが大事です。
✅ まとめ:なぜバレる?どう防ぐ?
裏垢がバレる主な理由
- 本垢と裏垢で共通のフォロワーが多い
- 投稿のタイミングや場所が本垢と一致している
- アイコン、語尾、絵文字など投稿スタイルが似ている
- 同じ写真・動画などの素材を使い回している
- メールアドレスや電話番号が本垢と同一または連携している
バレないための対策
- 表と裏で相互フォローやフォロワーの重なりを避ける
- 投稿時間・内容・場所を分離し、日常の痕跡を断つ
- 投稿スタイルを意図的に変える(言葉遣い・トーン)
- 別の端末や専用のアカウント情報(メール・電話番号)を使う
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